第10章 雪から生まれた想い
あれからどれ位経ったんだろう…
あれ以来俺は人間の魂を取る気にもなれずにいた
決して人間を許した訳じゃない…
今でも人間なんて嫌いだ…
それは兄さんだって同じハズだったのに…
…それにここ最近俺の身体もおかしい…
倦怠感や息苦しさがずっと続き、動く気になれずにいた
潤「…どうしたんだろ…俺…」
「潤よ…苦しいか…」
潤「…長老…」
声の方に顔を向けると、そこには俺達一族の長である長老が厳しい顔つきで佇んでいた
「潤…お前人間に感情移入しておるな…」
潤「はあ?そんな事ある訳ない…俺は人間なんて…」
「本当にそうか?よく考えてみよ。お前が唯一心許した人間がおろう…」
潤「そんな奴いるわけ…」
そう言いかけてふと頭をよぎったのが…
潤「…兄…さん…」
「例え兄でもあやつは人間になりおった…潤よ…ここに居たければ…解ってるな…」
潤「長老…」
それってつまり…生きたければ俺の手で兄さんを…