第10章 雪から生まれた想い
俺は山小屋から出て、フラフラと歩き続けていた
暫くすると上空に…
潤「…あの光は…」
一筋の光が山小屋方向からスー…っと走っていった
潤「…兄さん…『再生の泉』に向かったのか…」
ー再生の泉ー
俺達『雪人』は人間と比べて寿命が永く、数百年は生きる…
ただ、人間のように『魂の転生』はしない…
寿命を全うした者の魂は自然に帰り同化する…
けど全う出来なかった魂は『再生の泉』に入り、その者が強く思う魂に生まれ変われる…
自然に帰りたければ同化を…
人間になりたければ…
…けど今までほとんどの雪人が自然と同化し、人間に転生した者はいない…
それが当たり前だと思っていた…
短命な人間に生まれ変わっても、直ぐに寿命がくる…
また『死』という恐怖に襲われるくらいなら…
そう…思ってた…
でも兄さんはもしかして…
けどそれなら…
兄さんがあの男の側に行きたいと言うのなら…
兄さんの魂を俺の手で…