第10章 雪から生まれた想い
許せない…
人間は俺から大切な物を奪っていく…
自然を壊し…無闇に生き物を殺し…
そして俺の両親や…兄さんも…
潤「…許さない…お前のせいで兄さんが…」
せめてこの人間の魂を持って帰って、兄さんの汚名を挽回してやる…
そう思って、その人間を凍らせようとしたその時
『止めるんだ潤!』
潤「えっ!?」
突然兄さんの声が聞こえ、俺の冷気を抑えられた
潤「な、何で止めるんだよ兄さん!コイツのせいで兄さんは…!」
翔『智のせいじゃない…俺の意思なんだ』
兄さんの意思…じゃあ兄さんは死を覚悟してこの男を…
俺は力なくその場に踞り泣き崩れた
…だが…
智「…勝手だよ…翔…」
潤「…え…?」
智「お前はそれで良いかもしれないけど、遺された者の気持ちはどうなる!?潤も…俺も…もうお前に会えないなんて…そんなの辛すぎるよ…」
この人間…俺の気持ちも…
兄さんの声も途絶え、人間の魂を持ち帰る意味を失った俺はその場から立ち去ろうとしたら…
智「潤…俺と来るか?」
…コイツ…今殺そうとした俺を心配して…
…とんだお人好しだな…