第10章 雪から生まれた想い
業を煮やした俺は、兄さんを探しに結界の外に出た
兄さん…何処に行ったんだ…
早く結界内に戻さないと、兄さんの身体がもたない…
俺は宛もなく兄さんを探し歩いていた
その時…
潤「…えっ…?」
突然俺の身体を風が吹き抜けていった…
…今の…兄さん…?
駆け抜けていった風に混じって、何故か兄さんの気配を感じた
嫌な予感がして、俺は急ぎその風が吹いてきた方向に駆け出して行った
暫くすると目前に山小屋が見え、そこに駆け込むと人間の男が1人佇んでいた
間違いない…ここから兄さんの気配を感じる…
潤「人間…兄さんは何処だ!!」
智「そんなの俺が聞きてーよ!目が覚めたら着物だけ残していなくなってたんだ!」
着物だけ…まさか…
潤「貴様兄さんと交わったのか!!」
俺が聞くとその男は驚いた顔をしていた
…遅かった…
兄さんはすでにその男の手によって身体を…
何で…何で俺を置いて人間なんかに…