第10章 雪から生まれた想い
俺達の両親が人間に殺されて以降、この結界は人間に対して強硬なものになっていた
少しでも人間に感情移入したら、本人に自覚がなくても反応する…
潤「う…嘘だろ兄さん…何で兄さんが人間に…」
翔「・・・」
潤「人間が父さん母さんに何をしたのか忘れたのか!?その人間に…!」
翔「…ごめん…潤…」
潤「兄さ…」
兄さんは目に涙を滲ませ、俺を見つめていた
本気…なのか…本気で人間に…
そして兄さんは俺に背を向けて歩き出していった
潤「兄さん待って!その人間の魂を持ってくれば戻ってこれるから!必ず戻ってきて兄さん!」
そう俺が叫んでも、兄さんは此方を振り向く事なく暗闇に消えていった
大丈夫…兄さんが俺を置いて行くハズない…
きっとその人間の魂を持って帰ってきてくれる…
そう思っていたのに…
潤「兄さん…何で帰って来ないんだよ…」
あれから2日…3日と経ったけど、兄さんが戻って来る事はなかった…