第10章 雪から生まれた想い
そんなある日、何時ものように山に入った人間の魂をもらうため、兄さんは出掛けていった
…けど戻った兄さんの様子がおかしかった…
…何か考え込んでいるようで…
潤「…兄さん…どうかした?」
翔「…えっ?な、何が?」
潤「何が…って…何か兄さん元気ないから…」
翔「そ、そんな事ないよ」
そう言って否定してはいるけど…何か気になる…
その時、ふと兄さんの手を見ると皮が剥け、赤く爛れたようになっていた
潤「に、兄さんどうしたの!?その手は!」
翔「えっ…だ、大丈夫だよ!何でもないよ」
潤「そんな訳ないだろ!早く手当てを…!」
そう言って俺は兄さんの腕を掴み、結界の中に入ろうとした…
その時
<バチッ!>
潤「うわっ!」
翔「っ!」
何故か俺達は結界に弾かれ入れなかった
…俺達…というより…
潤「…兄さん…」
翔「・・・」
俺の身体は今結界の中にある…
潤「まさか…兄さん人間に…」
その時の兄さんは何も語らず、ただ立ち尽くしていた…