第10章 雪から生まれた想い
成長し、俺と兄さんは魂を凍らせる能力を身につけた
そして両親を死に追いやった人間に復讐するため、度々結界の外に出ては人間の魂を食った
そうしているうちに、人間は俺達が住む山に入っては来なくなった
潤「…最近人間が来なくなったね、兄さん」
翔「まあ、これだけ人間を食ったらな…『銀の玉』を持つ人間もいなくなったし…」
あれから数十年の月日が流れ、人間達は狩りを忘れ、『銀の玉』も簡単には手に入らなくなった様だった
潤「でも、隣の山に娯楽施設を作ったよね?」
翔「ああ…『スキー場』って言ったっけ?かなり賑やかな」
賑やかって言うか…煩いし、自然は壊すし…本当に人間のやる事は意味が解らないし、愚かだよな
潤「ちょっとそっちの人間も狩って来ようか?」
翔「止めておけよ、無駄な殺生は…こっちの領域に入って来なければ良いんだから…」
無駄な殺生って…
最近の兄さんは甘いよな…
人間が俺達に何をしたのか…忘れたのかな…