第9章 雪に消えた想い
智「…ん…」
肌寒さで目を覚ました俺は隣に居ると思っていた人物に手を伸ばした
…がそこには誰もいなかった
智「…翔…?」
身体を起こして辺りを見回したがやはり誰もいなかったが、翔の着ていた着物が置いてあった
智「着物だけ?翔っ!翔ーーーっ!」
いくら翔でも裸のまま外に出るなんて考えられない!
何かあったのか!?
俺は自分の衣服を着て外に出ようとした
その時
<バンッ!>
勢い良くドアが開いた
智「しょ…!」
ドアの方を向くとそこにいたのは翔ではなく、翔と同じ格好をしたやはり綺麗な顔をした男が立っていた
「…人間…兄さんは何処だ…」
智「兄さん…?その格好…もしかして翔の…」
「弟の潤だ」
その『潤』と名乗った奴は明らかに俺に対して憎悪を抱いていた