第1章
こんな小さかったか?
こんな弱々しかったか?
おばあの手。
しわくちゃだったけど、こんなにもしわくちゃだったか?
指も曲がりっぱなしで広げる事も出来ずに猫の手みたいに丸まって…
俺がでかくなればなるほど反比例するかのようにおばあが弱々しくなって行くのが凄く怖くてとても悲しい
最近はおばあの肩を叩きながら昔の事ばかり思い出しちまって余計にそう思うんだよ。
保育園の時、チビで女みたいだからイジメられてよくビービー泣いて帰って来た俺を慰めてくれて
かけっこでコケた時も
自転車でコケた時も
木から落ちた時も
いつだって優しくて
おばあが作ってくれる飯は最高に美味くて