第4章 Secret feeling　【白石蔵ノ介】

「そのね…私、多分白石くんの思っとるような子やないと思うんだ。でも…もしそれでもええなら」
「……ええに決まっとる」

【名前】が言い終わらんうちに俺はギュッと彼女を抱き寄せる。
彼女は何も抵抗もせぇへんかった。
それどころか俺の背中に手をゆっくりと回していく。
背中から伝わる彼女の手の温もりに俺の心が少しずつ満たされていくのを感じていく。

ずっと永遠に満たされることなんて思っとった。
それなのに彼女は俺を選んでくれた。
その事がこないにも嬉しく感じる。

少しだけ抱きしめた手を緩めて彼女の頬に口づける。
予想外やったようで少し驚いた様にビクリと【名前】の体が揺れたがそれは驚いただけで嫌やないというのが分かる。

あぁ、なんて幸せなんやろう。
絶対に彼女を離さへんと固く己に誓った。
そして俺がどれだけ彼女のことを好きなのか1から全て話そうと俺は自分の腕の中におる彼女を見ながらそう思った。
どないな表情で彼女は聞いてくれるのだろうかと思うと俺は今から楽しみで仕方がなかった。


Fin.