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【短編集】テニスの王子様

第1章 恋のつぼみ 【越前リョーマ】


本当に再会は突然なんだなと思った。
まさか日本でまた出会えるだなんて思わなかった。

「おはよ~、【名前】」
「ん?あぁ、英二か。おはよう」

学校に向かう途中で後ろから話しかけられた。
振り向けばクラスメイトで男子テニス部に所属している英二だった。
笑顔で手を降って私に駆け寄ってくる姿はなんだか犬の様で失礼だが微笑ましくて笑ってしまった。
そんな英二と一緒の歩調で歩いて学校へと向かう。
これから朝練という時間にこうした静かな道のりを一緒に歩くのはなんだか新鮮だった。
学校へと向かう道のりで宿題の話なんかをして登校したが、ふと話題が今年の新入部員の話へとシフトした。

「そう言えばそっちの新入部員はどんな感じ~?」
「うーん。いつも通りだと思うけど。初心者の子もいればそれなりの子もいるよ」
「へー」

英二は私の言葉は特に興味ないようで空返事だった。
ということは何か男子テニス部では報告したい事があるのだろうと思い『そっちは?』と聞き返した。
すると待ってましたとでも言いたそうな表情になった。
彼はとてもわかり易いなと気付かれない様に笑った。

「なんと!1年がレギュラー入りしたぞ!」
「へー。英二ピンチじゃん」
「なんでそーなるんだよ!俺と大石のゴールデンペアは負けないぞ!」
「そうかもしれないけど、今後のレギュラー戦で脅かされるかもじゃん?」
「ぐっ。そ、それでも俺も強いし、まだまだおチビには負けないぞ!あ、噂をすれば!」

冗談で炊きつけて見たが本気で返事を返されてしまい、冗談は難しいなと思った。
そして英二がその話題の彼を見つけたようで私の隣で手をブンブンと振り回し、前方にいる少年に大声で話しかけた。
最初は恥ずかしさからなのか無視をしていた様だがいつまでも大声を辞めない英二に観念したのか振り返った彼はこちらへと近づいてきた。

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