第15章 弱った日
寝室から出て、キッチンに向かう後ろ姿にそっと声をかけた。
「…主人公名前。」
ビクッと一度肩を上にあげ驚く主人公名前。
「せ、先輩!びっくりしたあ…!
起きたんなら声かけてください!」
いや…だから今かけたじゃん…。
「…来てたんだ。」
ビックリしましたよ。
喋ってる途中で電話切れて、わけわからなくて急いで来たら冷蔵庫の前で唸りながら倒れてるんですもん。」
あ、そうか。
主人公名前に助けを呼んでそのまま意識失くしたんだ。
「…うん、風邪ひいたみたい。」
「これ、おかゆ作ったんで
食べて薬飲んでくださいね。
買ってきたんで。」
こんなの家にあったっけと思う食器に、あったかいおかゆと卵スープが並べられる。
「あなた、料理できんのね。」
「お口に合うかわかりませんが、
とにかく今は我慢して
食べて寝て下さい。」