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それぞれの選択肢

第15章 弱った日







主人公名前が目の前に座り、フワッと笑う。

ダメだ。
風邪の時優しくされるとなんか余計沁みてくる。







「…いただきます。」



少し冷ましたおかゆを口に運ぶ。



「……うまい。」






「ふふっ、よかったです。
無理しないで食べきれる分だけ
にしといて下さいね?」






もともとあんまり食べる方じゃないけど
美味しくて、嬉しくて気づいたら全部食べてた。




「…ごちそう様。マジ旨かったです。」




そう言って手を合わせた。




「いえ、お粗末さまでした。
じゃあ、これ飲んで寝て下さい。
私洗い物したら帰りますんで。」



薬局で買ってきたであろう風邪薬とコップ一杯の水をテーブルに残し、食器を下げる主人公名前。




おとなしく薬を飲みこんで食器を洗う主人公名前に話しかけた。




「…昨日、ごめんね?」



「え?」




「…あんな、ガキみたいなこと言って。」






食器を洗う水の音が部屋に響く。





「…いえ、私こそ…ごめんなさい。」






「…主人公名前が悪いのよ、
私のこと頼ってくれないから。」




「え、さっき謝ってくれた
じゃないですか。」



「根に持つほうなんです。」





「…頼ってますよ、ちゃんと。
ただ昨日のは…違うんです。
マキタさん達がおかしなこと言うから
カッとなってしまいまして。」






「何言われたの。」




あ、いや・・・と一瞬吃ったが、今日は素直に口を割ってくれた。




「…もしもマキタさんと私が
付き合ったら…
あ!嫌ですよ!?付き合いませんよ!?
まあ、その仮定の話なんですけど
彼氏が出来たとして、
先輩達と会うのはおかしいって。
浮気だって。
絶対なんかあるんだろって…。
先輩達のこと、悪く言われてる気がして
我慢できなかったんです。」



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