第2章 優柔不断
意地悪な含み笑いをする先輩の後ろから
聞き覚えのある声がした。
「んもおーなんで言っちゃうの翔ちゃーん。」
現れたのは櫻井翔さん。
二宮先輩とは中学の頃から知り合いらしく先輩の2つ上だけど、こうゆう仕事外の時間は昔からのあだ名で呼び合っているみたい。
「一緒にいい?」
定食のトレーを持ち立ったまま、私に座ってもいいかの許可を取る。
「はははははい!」
私はどうしてもこの人が苦手だ。素敵すぎて。
「…あなた、俺と翔ちゃんの差、激しすぎ。
それじゃあバレバレですよ。」
「バレバレって何ですか。
まだ何もバレてませんよ!」
一言多い先輩に噛み付く。
「相変わらず、仲良いな。」
私の真正面に座る櫻井さんが、こっちを見て微笑んだ。
ずっきゅーん。
「友人1あだな…私、鼻血…出てないよね?」
小声で隣の友人1あだなに確認を入れる。
「ん、ギリセーフ。て、それより櫻井さん!
二宮先輩、お付き合いしてないんですか?」