第2章 優柔不断
「それより先輩、また彼女できたんですか?
会社中うわさの的ですけど?」
やっと決まった定食を持って三人で席に着く。
「ん、ああ?早いねー女子は。」
ハンバーグの入ったB定食を美味しそうにほおばる先輩が、いつも右側の口元だけつり上げた悪戯っ子の顔をした。
「んふふ、どうでしょーう。」
こういう恋愛話が苦手なのかいつも自分のことを濁す。
友人1あだなの言うとおり、ここ最近社内の女子の話題は先輩が美人で有名な秘書課の安西さんとデートしていたとかしてないとかでもちっきり。
ど…どうでもいいわ!
それより、
先輩がドブに落ちただの、髪型に失敗してアフロになっただの、牛に追いかけられて苦労したっていう話なら・・・大好物なのに。
「それ、ただの噂だよ。」