第6章 素敵な女性
「に、二ノーーー!!
…………と…安西さん?」
相葉さんが少しずれると一段と決めた二宮先輩とその後ろには見たことないモデルのような美人。
「集まってる場所わかんないから連絡してんのに、
誰もとりゃーしねぇんだもん。
もお、大変大変。」
あまりにも突然すぎる登場にみんなぽかーんとなる。
「皆さん今晩は。秘書課の安西百合と申します。」
モデル美人は私達に挨拶すると二宮先輩の耳元に近づく。
「…かずくん、やっぱり私帰るよ。」
か、かずくん。
「なんで?」
二宮先輩はキョトンとした顔で安西さんを見た。
「あ、みんなごめん。安西さんも一緒にいい?」
な、なんか二宮先輩が…先輩じゃないみたい!
なんていうか…潤先輩みたい!
紳士っぽい!
安西さんをエスコートしてる!
「ははじめてまして!
私二宮先輩の後輩で、
主人公苗字主人公名前と言います!」
あ、れ、なんで先陣切って
自己紹介しちゃったんだろう。
失敗した。
これじゃあただの変な後輩だよ。
「あら、あなたが主人公苗字さんね。」
そう言って安西さんはにっこりと微笑んでくれた。
「え…私のこと…ご存じなんですか?」
「ええ、ある人から
いっぱい教えてもらったわ。ふふ。」
安西さんはくすっと口を押さえて笑い、
立ちっぱなしの二宮先輩を見た。
「・・・あ」
あ、っておい。
「……何言ったんすか。先輩。
内容によっちゃあ、
法廷で会うことになりますよ。」
「…んふふふふ。
お、落ち着きましょう、主人公名前ちゃん!」
あの野郎、
秘書課に変なこと吹きこんだな。