第4章 あまのじゃく
「…で、主人公名前?」
「はい?」
「今回は誰なの?」
「はい?」
「どっちなの?翔さんと大野さん」
言っている意味が全くわからず、
「はい?」
「何回聞くの。おばさん。」
「いや、まだ24すよ。
和也おじさんの言っている意味が
わかんないんすよ。」
「…あんたさ、
ほんとにその話し方、やめなさいよ
好きなやつの前では」
「やだなあ、しませんよ。好きな人の前では」
「てことは、翔ちゃん?」
ようやく意味がわかった。
「!?何のことかと思ったら!
どっちってそういう意味!?」
「そうそ。どっちかなあ~と思ってね。」
「そんなんじゃないですよ!!
尊敬してる上司に対して
そんな節だらな気持ちで
仕事してませんよ、私は!」
「ふう~ん、そうなの?」
何、聞いといてその反応
「二宮先輩って昔から
恋のキューピットですよね。私達の」
恋愛なんてあんまりしてないけど、いつも相談にのってくれたし、振られた時はいつも側にいてくれた。お陰で振られたのに痛くも痒くもなかった。
「別に、好き好んでキューピットやってるわけじゃないんすけどね」
「感謝してますよ?本当に。
いつも側にいてくれて。さやちゃんも私も。」
いつもは嫌な態度だっかりとっちゃうけど、ほんとはとってもとっても感謝してる。
「んふふ、珍しいなあ。素直。」
「ですね。
いっつも可愛くなくてごめんなさーい。」
「いいよ、わかってるから。
主人公名前のことなんて。
お互い様でしょ?あまのじゃくは。」
「先輩のあまのじゃくには負けます。」
「んふふ、でしょうね。」