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それぞれの選択肢

第4章 あまのじゃく





そして私のマンションに着いた。



「送ってくれてありがとうございます。」



ぺこっとお辞儀をする。



「いいえ、通り道ですから。」




何言ってんのていう顔をしてくれる。
こういうとこ優しいなって、本当に感じる。
私はすごく周りに恵まれてるんだなあ。






「先輩、今日ありがとうございました。」




「だーかーら、何回言うのあなた。」





「違います、さっきの。
大野さんが、喜んでたって言葉。
私、アレなかったら落ち込んでました。」




ああ、と優しく笑う先輩。





「眉間にシワよって可愛くなかったから
言ってあげたの。」






先輩の人差指が私の眉間に触れた。




そうだ。先輩はいつもそうだった。
そのやり方で何度も私達は救われたんだ。





「やっぱり二宮先輩は凄いや!」




「そう?ふふ、だからモテるんだよね」




「んふふ、自分で言うとこが可愛くないすよ。」




「大丈夫、私格好いい路線で売ってますんで。」








「…先輩?」






意外と頼りになる先輩を優しく見つめた。






「…ん?」





先輩が私を見る。








「…ずっと
言えなかったことがあるんです。

















早く
帰ってもらっていいですか?」







眠いんですよね。
優しい雰囲気あたりから
眠いんですよね。







「………主人公名前。
やっぱり可愛くないね。」



「あら?誉め言葉ですか?
おやすみなさーい。」






「…あっそう。おやすみ。」






先輩はいつものようにふふ、と笑い、片手をヒラヒラさせる。






「先輩、私達のことばっかりじゃなくて
安西さん、頑張ってね!」




先輩も幸せになってほしい。






「あ-い。」





そう言って背中を向けた。


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