第4章 あまのじゃく
友人1あだな家を出たのは朝方4時。
帰りはいつも二宮先輩と二人になる。
「いやあ、今日も飲みましたね。」
「誰かさんの真面目な話のせいで
すっかり酔いは冷めましたけど。」
少し前を歩く二宮先輩が私に背を向けながら話す。
いつものように嫌みったらしい人。
あ~やだやだ
「いや、えっと…
なんだかすみません。」
また乾いた笑いが出た。
ピタっと足をとめ二宮先輩はこっちを向く。
「…ん、まあ。
いいんじゃないんすか。
大野さん、喜んでたし。」
いつものイタズラな笑いではなく優しい笑い。
「喜んでたんですか?大野さん。」
「うん、そりゃあそうでしょう。
泣いたり、笑ったり、
普段眠たい顔しかしない人が。」
「…そっか。よかった。」
正直、あの発言はやめとけばよかったって
今の今まで反省してたから。
なんか・・・、二宮先輩のお陰で楽になった。