第3章 恒例のメンバー
時計の針は深夜2時。
話題は大野さんの上昇の話。
「いや、ほんと忙しそうだよね。」
櫻井さんのウィスキーの氷がカランと音をたてる。
「…うん、もぉ泣きそう。」
「挫折早いな。今日も残業でしょ?」
まゆを下げる大野さんに、潤先輩が笑う。
大野さんは皆より5時間くらい遅れてドロドロで参加した。私の膝で寝ようとしてたけど。
「…ん、いんや。
今日は磯山と飲んできただけ。」
「あ、そっか。同期でしたよね、大野さん。」
「一緒に来ればよかったのに!」
磯山さんは仕事も出来る女上司って感じの方。
女性社員からも人気がある。
もちろん私や友人1あだなも憧れてる。
「磯山さん、ほんとに格好いいですよね、
綺麗だし!」
「え、何?リーダー、
磯山さんといい感じなの!?」
相葉さんと友人1あだながテンション上がった喋り方をし始める。
「…同期だからね~、頼りになるの。
オイラこんなんだし。」
二人はなあ~んだ、といったような顔で肩を落とした。
ほんと、この二人はお祭り好き(笑)
大野さんでも人を頼ることなんてあるんだな。
「大野さんに…頼られる…。」
下を向いてポツリと呟いた。
「何、あなた大野さんに頼られたいの?」
隣に座る二宮先輩が私の独り言を見逃してはくれなかった。
「あ、え?私声出てました?」
「はい、バッチリ。」
「さっき、大野さんの寝てる姿見て思ったんです。
昔はチームだったからお互いに頼って頼られてそれが感じられたけど、大野さんが上にいって頑張ってる姿、すっごい嬉しいけど一人で頑張ってんのかなあって。
私、もっと頑張りたいなあって。」