第3章 恒例のメンバー
潤先輩の言うリーダーというのは大野課長のこと。
実は私達のチームリーダーは先月まで大野さんだった。なんとこの度課長に昇進。優しくて物静かな人だけど、暖かくて周りにはいつも人がいる。みんなが尊敬する人。
「ちゃんと連絡いれたよ?」
相葉さんが自分の携帯を確認する。
「やっぱり忙しいんですかね~…」
携帯のディスプレイを見る。時刻は22時。明日は土曜日だから時間なんて気にしないけど遅いなあ…大野さん。
「…寂しさ全開ですけど?」
「え?」
隣にいる二宮先輩が私の顔を覗き込む。
「主人公名前ってさ、ほんと昔から顔に出るよね」
「え!?そんなに素直な子じゃないはずなんだけどなあ・・・、私」
「んふふ、確かに」
うっせえわ
そう言って空になったビールの缶を、私に差し出し「次取ってこいよ」と言わんばかりの目でニッコリ微笑む。
でたな、魔性の子犬系男子め。
私は廊下に置いておいたビールの入ったダンボールから1缶取ろうとした時、玄関のドアが静かに開いた。