第2章 始まり
逃げ切った少女と狼だが手負いになっていた
『大丈夫…?クロウ…』
名前を呼ばれた狼はペロリと少女の手を舐めた
『お肉…美味しい…?』
《食うか?》
『止めておくよ』
逃げ切る際に一頭の馬をクロウはちゃっかり持ってきていた
《だが…3日以上何も食べてないだろ?》
『お腹空いてないからね…』
暗闇の地下に狼と少女の声が響く
『私の事はいいからクロウはしっかり食べて』
頭をゆっくり撫で伏せをしながら食べているクロウに少女はゆっくりと寄り掛かった
『…おやすみ…』
その言葉を聞いたクロウはフワリと自分の尻尾を少女に乗せた