第3章 二千年後の君へ〜シガンシナ陥落1〜
「っ…でも…息子は役に立ったんですよね…?」
同じく膝をついた兵士はその言葉に息を詰まらせた
「何か直接な手柄はなくても…息子の死は人類の…反撃の糧になったんですよね!?」
ヒョォォォッと風が二人の間を吹き抜ける
もちろん!と言った後に言葉を詰まらせる
「いや…今回の調査で…我々は…いや…今回も…くっ…何の成果も得られませんでした!私が無能なばかりにただ悪戯に兵を死なせ奴らの正体を突き止めることは出来ませんでした!」
その言葉と涙と下げられた頭
老女が呆然とするのも当たり前だ
人類の反撃の糧にならない…非情なばかりだ