第18章 ◆番外編5「狼」
「長谷部さ…」
─ちゅ…ちゅ…─
何か反論しようものならすかさず口づけで塞がれ、固い畳の上、長谷部の体の下で、主は子ウサギのように無力だった。
長谷部は口づけたまま、彼女の浴衣の帯をほどいていく。
胸が露になると、その頂を口に含んだ。
「…あっ…ん…」
もう何度したから分からない、お互いに慣れた行為のはずなのに、いつまでも相手への胸の高鳴りはおさまらない。
不意ばかりつく彼女に翻弄される長谷部。
優しくて尊い主が恋人になっても変わらず可愛らしいということに自分の幸せを噛み締めていた。
胸先を舌で転がして、何度も彼女の体を弓なりにさせる。
─ちゅぱ…ちゅぱ…─
「はぁん…あっ…気持ちいい、です…」
背中の畳の痛さと、胸先の快感。
正反対の感覚を体の裏表に感じ、彼女の気分は高ぶっていく。
しばらくそれを続けた後、長谷部はいつもはあまり触れない彼女のお腹に触れ、少しつまんでみる。
「えっ…やっ」
主は驚いたように正気に戻り、恥ずかしそうに手でお腹を隠した。
長谷部は新鮮な反応に、興味津々で彼女を見る。
「隠さないで下さい、主」
「やだ…お腹はダメです…」