第16章 ◆番外編3「見合い」
襖の向こうからは相変わらず先輩さんが声をかけてくる。
「まあ…じゃあゆっくり直してね」
疑われてる…?
こっちの声、聞こえてないよね…?
「…は、はいっ…もう、少しっ…」
返事をすると、先輩さんの気配がまた離れていった。
─くちゅくちゅ…─
途端に激しくなる愛撫。
長谷部さんだめ…!
そんなに擦ったら声が出ちゃう…!
─くちゅくちゅ…くちゅ…─
「んっ…ん…んん……ぁ…」
─くちゅ…くちゅ…─
「…だ、めっ…はせべ、さん…」
だめだぁ…気持ち良い…。
ほんとに、だめなのに…こんなところでイッたらだめなのにっ…。
長谷部さんの指が、奥まで弄るからっ…。
「主…」
「…やめ、て…もう、だめっ…イっちゃう、からっ…」
「イってください。俺の手で」
──も、もうだめっ…!!
「あっ…あっ…ん…ん………んっ…ん、んんんんっ…!」
私は声を押し潰してイった。
長谷部さんの指は最後に少しクチュクチュと動いてから抜かれ、力の抜けた私の体は彼の腕の中に落ちる。
「はぁっ…はぁっ…」
私だけ擦り切れそうな息をしながら、彼に寄りかかった。
何も解決してないのに、長谷部さんは怖いくらい優しく私の体を受け止めている。