第15章 ◆番外編2「現代遠征」
落ち着いて湯につかり、そのとき二人は、ライトアップされた滝の美しさに初めて気づいた。
「……綺麗ですね、長谷部さん…」
「…はい…」
(貴女のほうが綺麗ですよ、主…)
長谷部はそう思いながら、主を悲しませた元凶となった者たちが、『私たち、滝の絶景スポット知ってるんですよ』と言っていたのを思い出した。
改めて、滝を眺める彼女を見る。
(…“絶景すぽっと”はここだ。主と見る景色が、一番綺麗だ)
長谷部はいつまでも、彼女だけを見ていた。
───本丸へ帰り、温泉のせいだけではない艶々とした顔を見られ、皆に笑って迎えられる。
それはきっと明日の話。
◆番外編2 完◆