第14章 ◆番外編1「猥本」
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──翌朝…
「鶴丸貴様ー!!!! 主になんてことを吹き込んでくれたんだ!!」
お怒りの長谷部さんは、ドタドタ足音を立てながら鶴丸さんを追いかけ回していた。
本丸中を逃げる鶴丸さんは、燭台切さんを共犯だと言い張ったり、私が相談を持ちかけたと言い訳をするけれど、すべて嘘だと見破られてしまう。
「待てって長谷部! いいじゃないか、良い夜になっただろー?」
「ふざけるなー!」
私は燭台切さんと縁側でその様子を見て、二人で苦笑い。
燭台切さんは、思い付いたように私に尋ねた。
「そうだ、主。あの猥本は? 鶴さんに返したの?」
「…ええと、それは…」
鶴丸さんには悪いけど…もうちょっとだけ、借りさせてください。
まだ使うかもしれないから……ね?
◆番外編1 完◆