第14章 ◆番外編1「猥本」
「ハァッ…ハァッ…」
長谷部さん、息が上がってきてる…。気持ち良くなってもらえてるのかな…。
私は嬉しくて、さらに抱きついて肌を密着させ、手を滑らせていた。
「あるじっ…こんなことをしていただけるとは思っていなくて…もうっ…」
長谷部さんが後ろ手を伸ばし、私の下半身に触れようとした。
私はそれを手を握って制すると、今度は彼の体の前へと回り、膝をついた。
「ダメですよ、長谷部さん。まだ後ろしか洗ってません。…今度は前を洗わないと」
きちんと向き合ってみると、彼の顔は真っ赤で、お酒に酔っていたときと同じように据わった目をしていた。
私は長谷部さんの胸のなかに体を合わせて、胸板に胸を擦り付けるようにして密着する。
「…だめです、あるじっ…ぅあっ…」
泡のぬめりで感じたことのない快感が襲ってきて、今度は長谷部さんに見られていると思うと私も恥ずかしい。
でも、気持ち良い…。