第14章 ◆番外編1「猥本」
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「……よし!」
あれから、もらった猥本を熟読して準備を進めてきた。
最近は仕事が片付くとそっちばかり集中していたから、長谷部さんは遠慮してくれているのか、この数日は夜伽をしていない。
…でも、今夜はバッチリ…!
この『男が悦ぶ夜伽特集』の内容は、私の知らないことばかりですごく勉強になった。
中には私にはまだ理解できないこともあったけれど。
長谷部さんに喜んでもらえることが、まだこんなにあったなんて…。
今夜はとりあえず、この中からひとつやってみよう!
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「長谷部さん…」
夜、おやすみなさいのご挨拶をして、長谷部さんがお部屋に戻ろうとしたとき。
私は彼の手を握って、廊下で引き留めた。
「は、はいっ」
長谷部さんは少し緊張している。
「あの…シたい…です。ダメですか…?」
私もとても緊張しながらお誘いしてみたところ、彼はパッと明るい顔つきになって、手を握り返してくれる。
「主っ…もちろん、是非っ…! そんな…主から誘ってくださるなんて…」
「最近、してなかったので…長谷部さんとシたくなっちゃって…」
「お忙しそうでしたので遠慮していたのですが…いいんですか? 嬉しいです…!」