第2章 ◆耳元で愛を ★★☆☆☆
目をギュッと閉じて、引き続き始まる彼女の愛撫に耐えた。
長谷部の下半身は限界だったが彼は一種の恍惚状態に陥っており、我慢できずに主を襲うだとか、この先の欲望を求めることは思い付かずにいた。
ただ降りかかる快感に体を震わせるだけで、今は精一杯だったのだ。
(もう、耳が溶けそうだ……主がこんなことを、俺に…信じられない…)
「主…あのっ、あ……ご、ご無理を、されてはいませんか…?」
─くちゅ…ちゅ…─
「ん…私は、全然…はせべさん、こそ、お嫌ではないですか…?」
「い、いえ!俺は、全くっ…あぁ…」
彼女は長谷部を愛撫するたびに、自分が愛撫されていたとき以上の胸の高鳴りを感じていた。
凛とした長谷部が目を伏せて赤くなっている姿が愛しくなり、止められない。
主は、長谷部は優しくて忠実な性分だから、我慢の上でこの行為に付き合ってくれているのではと疑っていたが、その麗しい表情からは彼も快感に溺れていることが読み取れた。
(長谷部さん…好き…もっと気持ちよくなって…)