第13章 ◆愛のすべて ★★★★★
もう充分準備ができた、その合図として、長谷部は彼女から指を抜いた。
そして熱の籠った瞳でじっと見つめる。
主も、それを察する。
すると彼女は再度跨がって挿入しようと試みる。
が、長谷部はそれを止めて、残った力を振り絞って彼女を手入れ台に組み敷いた。
「長谷部さんっ…」
「大丈夫。貴女のおかげで、もう傷は痛みません」
長谷部に無理をさせたくないと思ったが、やはりこの先を彼に進めてもらいたい気持ちもあり、主はゆっくりと頷いた。
彼女は長谷部が挿入しやすいように足の力を抜き、それを彼に開いてもらう。
長谷部はそこを指で開き、自身をあてがう。
「…入れますよ、主…」
「は、はい…」
主は祈るように胸の前で手を握り、それでも長谷部から目を離さなかった。
入り口に先っぽを触れさせ、まるで二人で「せーの」と言い合うように視線を絡ませてから、長谷部はそこに腰を沈めていった。
「…んっ…」
「…痛い、ですか…?」
一応彼女を気遣うものの、長谷部はすでに襲っている快感に腰が砕けそうになっていた。
まだ動かしはしないが、奥へ進めるだけで彼女のナカの感触がまとわりついてくる。
「…痛くないです…」
「本当ですか? 無理をしないで。…一度抜きましょうか?」
「いいえ…もっと奥まで来て下さい…」
「主…」
「気持ち良いんです…きっと長谷部さんが今まで、すごく優しくしてくれたから…全然痛くない…」
まだ疑いをみせる長谷部だが、彼女のうっとりとした瞳は、その証言が真実であることを示していた。