第13章 ◆愛のすべて ★★★★★

力を入れられるまで回復していない長谷部は、この行為を拒む方法がなかった。

主は長谷部の腰に顔を近づけ、すぐにソレを口に含む。

「だっ…だめですっ…主っ…あっ…」

たちまちぬるっとした不安定な快感が長谷部のソレを襲うと、重力がなくなったとさえ感じるほど体が軽くなる。

主の読みどおり、痛みを消して傷を癒すには、この行為の効果は大きかったのだ。

「…ぁあっ…ある、じっ…」

だから長谷部も抗えない。
彼女に自身を含んでもらうと、痛みが快感へと容易に変わっていくのである。

頭では彼女にこんなことはさせられないと思いつつも、体がそれを拒否することはできなかった。

「…ん…」

─ちゅぱ…ちゅぱ…─

彼女は唾液の中で、ソレに舌を絡ませる。

「…ぁあ…そんなっ…主…」

痛みから快感への感覚の振れ幅により、長谷部の感じている気持ち良さは計り知れないものになっていた。

それに、湯殿でされたときよりも快感が増している。

てっきり以前されたときと同じだと思っていた長谷部は、その違いに身を震わせていた。

湯殿では唾液に湯が交じり、粘着性が落ちる。
しかし今は主の唾液のみで愛撫されるため、彼女の口内のすべてが最適な粘度で長谷部のモノにまとわりつくのだ。