第13章 ◆愛のすべて ★★★★★
その指示が出たとき、一筋の光が見えた。
今まで培ってきた二人の愛の行為は、このときのためにあったのだ。
主は口付けを続け、長谷部はそれに応え続ける。
それはこの指示にすべてを賭けて、絶対に成し遂げてみせるという二人の決意の表れ。
主は長谷部の上にまたがった。
床に肘をついて、口付けはやめない。
長谷部が痛みを感じないよう体重をかけずに注意を払うが、この行為をはじめてから彼はまったく痛がる様子はない。
彼女は自分の着ている着物を肩からおろし、腹部を探って帯もほどき始めた。
口付けはいいかげんになるが、かろうじて唇が触れあったまま、彼女は全てを脱ぎ捨てる。
起きることができない長谷部に代わり、すべて自分で進める覚悟である。
心も体も、約束どおりすべてを長谷部に捧げる。そう思い、自分で裸になったのだ。
「ハァッ…ハァッ…」
まだ思うように動けない自分の上に跨がり、口付けながら脱いでいく大好きな彼女をただ見つめるだけで、長谷部の興奮は掻き立っていった。
彼の息は上がり、股間は膨らんでいく。