第7章 ◆快楽の奉仕 ★★★★★
ゴクンと彼女の喉が立てた音で、放心状態に陥っていた長谷部は正気を取り戻し、そして真っ青となった。
「主!!」
すぐに湯の中へと戻り、主の両肩を掴むと、自分の体液を彼女の口の中に出したことは間違いないことが確認できた。
頭がサーッと冷えていく。
「申し訳ありません! そんなっ…なんてことだ…! 主、ほら、口から出してください!!」
彼女の体を横向きに抱き、口元に受け皿の手を差し出したが、もう遅かった。
音で聞いたとおり、彼女は飲み込んでしまっていた。
「くそっ…!」
長谷部は湯に浸した指を二本、彼女の口の中に入れ、残っていた体液を掻き出そうとした。
しかし残っているものもない。
それでもその味が消えるよう、彼女の口内を湯で何度も洗った。
「主っ…申し訳ありませんっ…」
洗いながら何度も謝罪する。「お許しください」とも言おうとしたが、それはとても言えなかった。
許されるはずがないからだ。
こんなことは、例え相手が主でなくてもあってはならないことのはず。
無理やり彼女に、自分の欲望を放出するなんて。
これは間違いなく主から誘ったことなのだが、長谷部にとってはそんなことは関係なかった。
自分の汚い欲望を、綺麗な主にぶちまけた。ただそれだけが彼の事実だった。