第6章 監禁
ここに来て、どれぐらいが経過しただろうか。働いていた時、毎日、仕事したくない、とか、ニートしたい、養って欲しい。そんな事ばかり考えていた。でも、いざ、そうなってみると、今度は働きたい、という思いが出てきた。自由が欲しい。給料日に、カラオケでオールしたり、新しい服を買いに行ったり。
「ただいま。遅くなってごめんね? 急に残業になっちゃって」
鉄製の扉を開き、穏やかで優しい笑みを浮かべながら、部屋へと入ってきた男性。扉についている南京錠をかけ、外からも中からも出られないようにする。
六畳の洋室には、ダブルベッド、冷蔵庫、電子レンジ、テレビ、ソファ、ゲーム機、ドレッサーが置いてあり、扉の事が無ければ、割と快適な隠居生活が行えた。隅に普通の扉があり、そこのトイレも自由に使える。食事は、朝夕は、男性と共に取り、昼はお弁当を与えられていた。ただし、普段は許可無く衣類を着ることは許されておらず、部屋の中にも置かれてはいない。生理の時用に、それ用の下着と必需品はトイレの中に置かれており、その時だけは、着用を許されている。
部屋の鉄格子で覆われた窓辺に、ベッドが置かれており、私はそこに座っていた。もちろん、裸体だ。流石に一ヵ月も経過すれば、恥ずかしさなども消え、慣れてしまった。