第2章 罠
目が覚めた。
小鳥のさえずりが聞こえる。
時計を見ようと体を起こそうとするが、動けない。
「んっ……」
寝ぼけた頭で何とか動こうとすると、力強く抱きしめられた。
徐々に頭が覚醒する。
そこは、信也の腕の中だった。
しかも腕枕されながら抱きしめられている。
驚愕の声がでそうになり、慌てて口を手で塞いだ。
すぐ間近にある信也の寝顔。
こうしていると本当に整った顔だ。
思わず頬に手を添えてしまった。
信也の目がゆっくりと開く。
起こしてしまったようだ。
「おはよう、信也」
「ん……奏……おはよう」
「私あのまま寝ちゃったんだね」
「だな。ああ、ちゃんとゴムは付けたから安心しろよ」
いつの間に。
そう思った。
「まだ四時だからお前は寝てろ」
「どうやって時間分かったの?」
「体内時計」
そのまま唇を重ねられた。
優しく甘い口づけ。
~Fin~