第9章 独占欲
あれからどうやってご両親を納得させたのかは分からないが、夕食をご馳走になり、そのまま彼の部屋に泊まる事となっていた。本当に、何故だか、分からない。さらに、朝食までご馳走になり、軽く身支度を整えるために、そのまま家へと戻り、本当に身支度だけして出勤した。
なにがどうして、こうなった――
全身筋肉痛で痛いし、頭痛もするし、次会ったとき、どんな顔をすればいいかも分からない。
「おはよう、先生」
「っ! お、おは、よう……信也君……」
ほ、本当に、学校に……来てる……。なにこれなにこれなにこれ!
「先生、朝から百面相してるけど、どうしたの? それより、ホームルーム始まっちゃうよ?」
「ふえっ!? あ、ああ、そ、そうね……急がないと、ね……」
「じゃあね、先生」
事の原因の彼は颯爽と教室へと入り、何食わぬ顔で友人たちの輪へと混ざっていた。途端に、スマホが振るえ、嫌な予感がしつつも、画面を見た。予感は、当たっていた。
“昼休み、屋上で待ってるよ。来なかったら、昨日の画像をネットにばら撒くから”
目眩がした。けども……どこか、楽しい気持ちを持っている自分に苦笑しつつ。
「はい! ホームルーム始めるわよ! 懐かしい顔もいるみたいだし、みんなフォローしてあげてね!」
~Fin~