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【短編集】ブーゲンビリア【R18】

第9章 独占欲


「先生、うちの学校に不登校の生徒がいる、なんて事あってはならないんですよ」

 ……ああ、まただ。また、うちの学校は、うちの学校は。バカの一つ覚えみたいに、ワンワン吠えて鬱陶しい。どうして、学校の体裁なんだろう。どうして、生徒に寄り添わないんだろう。昔からそうだ。私が不登校していた時も、生徒に寄り添ってくれた先生は、次々に異動させられていた。この世界は醜い。

「聞いているんですか!?」
「すみません」

 そのまま踵を返して、校長室から出る。
 近年、根性論でエアコンの取り付けを反対する学校側の発言が問題視される時代となった。不登校、いじめ。学校の問題は、いつになっても消えはしない。それでも、私はこの世界に入った。私は、お堅い連中とは違う。生徒一人一人に向き合って、異動されても悔いは無い。そんな教師になりたい。だからこそ、校長室で叱られても何も思わないし、感じない。
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