第14章 季節外れのハロウィンパーティーは悪夢からの良心
~誰かside~
私の言葉に、彼女は笑う。おもしろそうに、クスクスと。
「帰ったら、手当をしよう。カルバドスもお姉さんも重症だからね。これに懲りたら、もう勝手な行動しちゃダメだよ」
笑う顔に冷たさが宿ってることに気づいたのは、彼女の目が再びこちらを向いた時だった。彼女は言った。桃色の唇を歪ませて。
「じゃないお、私…お姉さんを殺さないといけなくなっちゃう」
背中がゾクゾクとし、私は高笑いをして、背もたれに体を預けた。
「言うようになったじゃない?仔猫ちゃん」
「もう仔猫じゃないよお姉さん」
あの女を殺せなかったのは残念だったが、彼女のこのような態度を見れたのでよしとしのう。……少し妬けてしまうけれど。
「そんなに、あの女が大事?」
「初めてできた友達だからね」
友達は大事にするものでしょ?彼女は幸せそうに微笑む。気づけば私は、彼女の頬を触っていた。
「お姉さん、痛むの?」
私の様子を見て、心配そうな顔をするなずな。あぁ、もう本当にこの子は……。私は我慢ができず、彼女の隣に無理やり座った。
「ええ。だから、ちゃんと看病してちょうだい」
すると、私の髪をさらりと撫で、彼女は言う。私のペットたちと同じように、私のことが好きで仕方がないというような顔で。
「了解。お姉さん」
「ふふっ。その時は、そこの子犬のように膝で看病してもらおうかしらね」
私は彼女のつむじにキスをひとつ落とし、幸せに浸るのだった。