第4章 黒の組織にて
こんにちは。なんやかんやあって、1日泊めてもらうだけのはずが、何故か住み着いて1年が経過してしまった、私です。最初はジンの身の回りのことをするだけだったのに、1ヶ月過ぎた辺りからではなんか色々させられ、そして……今……
「わわわ……」
「どこ行ったクソガキがァァ」
「見つけ次第ぶっころせ!!」
銃を持った男達たちに追われています。ひぃっ!?なんでこうなった!!
こうなること3時間前。私はいつのものように洗濯物を干したり、掃除したりと日課になっている雑用をしていた。すると、私を呼ぶウォッカの声が聞こえて………その隣にはジンがいて……そしてこの一言。
「敵のPCから情報を盗んでこい。失敗しやがったら殺す」
もう何度目になるか分からない殺す宣言。私はその簡潔すぎる言葉にきょとんとしたが、ジンの鋭い眼光に反射的に頷いた。
そして今に至る。
「……まじかぁ……」
情報を抜き取ることは…まぁ簡単だった。セキュリティ甘々だったし。でも、問題はその後。
「FBIだ!動くな!!」
その叫び声が聞こえたのと同時に、私は呆然と立ち尽くしてしまった。私がいた部屋に入ってきたのは1人の男。他の部屋からは銃撃戦が始まった。男は部屋に私しかいないことに数秒たって気づき、そしてハッとした。
「な、なんで…子供が!?!?」
そして、もちろんこの男の声を聞きつけて、他の部屋から銃を持った大人がやってきたというわけで。ばっちり私の姿は見られまして…。
恐怖の鬼ごっこの幕開けだった。