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赤井さんちの一人娘

第13章 主人公に巻き込まれる日々かと思えば、私が巻き込んでいた


「……ちっ…茶髪のガキじゃねぇのかよ…」

視界が開けた時、誘拐犯は3人いた。そのうちの一人…背の低い男は私を見て舌打ちをした。

「まぁいいじゃねぇか。このガキの家も金を持っていそうだ」

帽子の男がそう答え、それに…とちらりと大柄の男を見る。

「それに、お前の好みとも合うだろ? 長い黒髪のガキだ」

大柄の男は彼の言葉にニヤリと笑った。そして、私の方を見る。鼻息が荒くて気持ちが悪かった。

「あっちの金髪の女の金の受け渡しが終わったら、次はこいつだな。それまでに、携帯の暗証番号聞き出しておけよ」

私の他にも誘拐した人がいるらしい。…囮を使ったり、最初から狙いを定めていたりなど彼らの手際の良さは良すぎるものがあり、これはバックに誰かがついているな…と彼らが持っているお揃いのロゴマークからそれを察する。だが、順調に行っている誘拐に彼らは油断しきっているとも感じ取れた。その証拠に、ランドセルの中に入れていた携帯は取られてしまったものの、ポケットの中にあるナイフには手付かずだったからだ。…身体検査をするのは、基本中の基本だというのに…。

「じゃあ、お楽しみの時間だ」

そう言って、部屋に大柄の男を残し、他のふたりは部屋から出ていく。……さて、どうしようか。
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