第12章 新たな転校生は波乱の幕開け
「あーあ…」
私はがっくりと肩を落としていた。何故こうも上手くいかないのだろう…自分の運のなさにほとほと呆れ返っていた。
「元気だせって。仕方ねぇだろ…いなくなっちまったんだから…」
そんな私にスコッチがジュースを渡した。私はそれをごくごくと飲みながら、それでも気分が晴れず再び肩を落とす。
「でもさぁ…1度でいいから会って話をしてみたかったなぁ…」
シェリーこと宮野志保…彼女が行方をくらましたのはほんの数日前のことだった。丁度彼女に会えるようセッティングしていた矢先のことだった。私は彼女の資料を見て、力なくそれを机の上に置いた。
「……まぁ、彼女の身が心配ではあるが…今はしょうがねぇだろ。身柄は探してんだろ?」
スコッチの言葉に私が頷くと、彼は私の肩をポンポンっと叩いた。
「じゃあ、今落ち込んでても仕方がないだろ? 明日も学校なんだから、ちゃんと寝ようぜ」
私は頷きながらベッドへと向かった。明日になって、その会いたかった宮野志保に会えるなんて思いもせずに。