第11章 江戸川コナンとの対立
「コナンくん、サッカーもできるんですね!」
転校して数日…相変わらず眉目秀麗な上に、スポーツも万能だという彼はすっかりクラスの人気者。クラスの子たちは江戸川コナンとして彼を讃えるが、私の中では彼は高校生探偵工藤新一だ。ただの小学生とは訳が違う。私はここ数日の忙しさから大きな欠伸をこぼす。あぁ…ようやく休日だ…。
「ボーッとしてどうしたんだよ」
人の輪から離れたコナンが私の顔を覗き込んだ。今の私は彼よりも少し背が高いのだ。
「なんでもないよお兄さん」
「ったく。どうせ夜更かしでもしたんだろ」
呆れたように私の頭を軽く小突くコナンに、私は微笑んだ。死体が出てこない貴方をジンが不審に思ったから、その後処理で働き詰めなんだよ…その言葉を飲み込み、私は口を開いた。
「正解。さすがお兄さん」
「そのお兄さんっての止めろよな。今、オレはお前と同じ年の同級生なんだから」
「えー…でも私にとってはお兄さんはお兄さんだし…。まぁ、私より誕生日前だからお兄さんでもおかしくないでしょ?」
そういう私に呆れた顔を見せるコナン。これ以上何か言われる前に、私は大きく手を振った。
「じゃあ、私はここで!! ばいばーい!!!!」
そして、スタコラサッサとその場を退散する。同級生だと思って、学校を軽んじていたが……これからは新一お兄さんがいるので控えた行動をしなければいけない。だが、私はふと足を止めた。
「なんで体が縮んだんだろ…??」