第10章 江戸川コナンとの再会
宮野明美の最近の動向は、少し不穏なものだった。なにせ、あのジンに姉妹揃って足抜けさせて欲しいと言ってきたのだから。
「宮野志保…科学者。今までも組織の薬を開発してきた優秀な人材…ねぇ…」
そんな人をジンが手放すわけが無い。宮野明美は交換条件として、とある任務をさせられているが…失敗した彼女を始末するための体のいい言い訳だ。不意にポケットの中の携帯が光る…この携帯は私が幹部になる前から持っているもの。この電話の番号を知っているのは2人。
「……まるで盗み聞きしてたように連絡してくるな…」
1人目は言うまもなく安室透。そして、2人目はいつの間にか私の携帯の番号を盗んでいたクソ親父だ。
「……ジンの尻拭いが終わったと思えば…」
つい私は持っていた携帯を投げ出す。柔らかなベッドの中に埋まる携帯。なんで、私がクソ親父の尻拭いまでしなきゃならないんだ!!!!!!
そして、私はまだ知るよしのない事だが…次の日1日休んだ学校で私はさらに尻拭いをしないといけない誰かがいることを知るのだ。
「あ! なずなちゃん!! おはよう!!」
笑顔で私を迎える歩ちゃんは、新顔に私を紹介する。その新顔とは気まずそうに私を見る工藤新一…改め江戸川コナンだった。