第2章 義理の父親が姿を消しまして
「………あ?」
でも…本当にそれでいいのだろうか?本当に?だって……
「なんで私が死ななきゃなんないの!!」
そうだ。そうなのだ。あいつは私を捨てたんだぞ。何故あいつに縋らなきゃならない。あいつが死ぬなら分かる。あの悪人みたいな顔を見る限り、悪いことも沢山やってきたのだろう。いや、絶対にやってる。そう思う!あいつなんか残りの人生天罰続きであればいい。本当に!!
「あのクソ親父! 今度会ったら、一発殴ってやる! 次に、原型を留めないくらいには殴ってやる!!」
私は銃を向けられていることなど構わず、そう吐き捨てた。男はそんな私のことをじっと見て、そして銃を下ろした。
「……え?」
そして気づいたら、その人に抱えられていた。
「じゃあ、そのときまでに力つけとくんだな」
そして、男は近くに止まった車に私とともに乗り込んだ。