• テキストサイズ

Unown(仮) R18

第1章 Episode of 跡部①




ここを曲がるんだよね…?
スマホのマップを見ながら歩いていると



キキキーーーーー

「え?きゃぁっ!」


よそ見をしていたからか、飛び出してくる車に気づかなかった。
慌てて避けたせいで、私は勢いよく転んでしまった。

「いっ…たぁ………」


「だっ…大丈夫ですかー?!」

よろよろと起き上がると、飛び出してきた高そうな黒塗りのセダンからスーツの男の人が慌てて駆け寄ってきた。


「すみません私よそ見してて…」
頭と右肘と右膝を打ったみたいで痛い
「あああ…血が出てます…」
オロオロとしている男の人に言われて自分の身体をみてみると、右膝と右肘を擦りむいて血が出ていた。
最悪…擦りむくまでこけたのなんて何年ぶりだろう?


「あああ…申し訳ありません…申し訳ありません…」
ヘコヘコと頭を下げながら私を抱きかかえて立たせてくれる。
「ご気分はいかがですか?本当に申し訳ありません…なんとお詫びをしたら良いか…」
今にも泣き出しそうな声で謝るもんだから

「いやー大丈夫ですよ?車には当たってないし、私もスマホ見ちゃってたし…」
え?…あれ?…スマホ?

思い出してキョロキョロと辺りを見回すと、私から少し離れた所でスマホが可哀想なことになっていた。


「あちゃー…割れちゃったかー」
指で摘んで画面を見ると、パリパリと亀裂が入っていた。



「なにごとだ?」
バタンとドアが閉まる音と共に綺麗な男の子の声がした。
綺麗なはね髪をかきあげながら私の前に現れたその子は、私と同じチェックの制服を着ていて

「景吾様!申し訳ございません。私がこの方をお怪我させてしまいまして…」
深々と頭を下げる男の人。
あー、この子の家の運転手だったんだ。
敬語だしこんな車乗ってるしおぼっちゃまなんだろうな…
それにしても綺麗な顔立ちの子だな…
なんてぼんやり見つめていると

「お前、見ない顔だが、氷帝か?」

は?“お前”?

いきなりお前よばわりされてちょっとイラッとする。


「はい、そうですけど?」
ちょっと睨んでしまってるかもしれない、でも初対面でこのセリフは無くない?

「怪我したのか」
「はい。しました。」
ぶっきらぼうに答えると、景吾と呼ばれた男の子はニヤリと笑う。
なんなの?!
/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp