• テキストサイズ

Unown(仮) R18

第1章 Episode of 跡部①




「ー!準備出来たの?」

下からお母さんの声がする。

「うん!もうちょっとで降りるよ!!」


新しい制服、新しいカバン、新しい靴。
今日から私の新しい生活がスタートする。

鏡を見て再チェック。

うん!今日も私可愛い!

頑張って伸ばして来た髪を下ろして手ぐしで整えると、鏡ににっこり笑いかけて自分の部屋を出た。




「おはようお母さん!」
下に降りて、台所で洗い物をしているお母さんに元気に挨拶。
「初日から遅刻なんてやめてよ?朝ごはんできてるから食べちゃって」
「ありがとう!いただきます!」
食パンとコーヒーのいい香り。
カーテンからはいい朝日が差し込んでいて、快晴。
今日は気分がいいなぁ。

パンを齧っていると
「ちょっと?あなたメイクしてる?」
濡れた手をエプロンで拭きながらお母さんが私に近寄り顔をのぞき込む。
「ちょっとだけだって。大丈夫大丈夫〜」
ヘラっと笑って手をパタパタさせると、お母さんが困った顔をして
「ちょっと派手じゃない…?新しい学校で変に目立ったら大変じゃない?」なんて心配そうに言うから、
「転校なんて初めてだし、いいイメージ作りたいじゃん?大丈夫だって!私は新しい学校で薔薇色のスクールライフを送るんだよ」
と、おどけてみせた。


昨日私達家族は東京の某所に引っ越してきた。
お父さんの転勤で、流れのまま家から通いやすい学校に転校することになったのだ。

「お父さんはもう出かけちゃったし、お母さんも荷解きがまだあるから送ってあげられないけど、学校、ひとりで行ける?」
「大丈夫だよ!もう心配しすぎね!ちゃんと行けるから大丈夫」
「だったらいいけど…」

これ、お弁当だから。差し出された弁当を受け取り、玄関へ急ぐ。


「いってきま〜す!」
「気をつけてね」


お母さんに送り出され、新しい家を出る。
学校に向かう道、ちょこちょこ目に入る家には車が2台3台停まっていたり、敷地が広かったり…
所謂高級住宅街というやつらしい。
新しい学校も、実は私立の金持ち学校らしい。
今までずっと公立でやってきたから、私立なんて初めてだけど、新しい学校でも友達いっぱい作って楽しくやるんだ!
小さくガッツポーズして少し小走りになりながら学校へ急ぐ。
/ 13ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp