第2章 Episode of 跡部②
「え?」
目を疑った。
目の前にいるのは、今朝最悪な出会い方をした…
「跡部…景吾…?!」
「なんだよ俺様を呼び捨てとは、いいご身分だな。こっちへ来いよ」
ニヤリと笑う憎い顔。
こいつが生徒会長?!
「あ、アンタが生徒会長…なの?」
「そうだが?何か問題あるか?」
机に頬杖をつき、品定めをするように私を見る跡部。
ドアを閉めて、机の目の前に立つ。
こんなやつが学園を仕切ってるっていうの?!
侑士が言ってたとおり、やばいやつ出てきたな…
「お前、なんでここに呼ばれたかわかるか?」
「副会長が……」
文句を言いたいことはあるのに、こんな形でまた再会なんて恥ずかしいやら悔しいやら。思わず声が小さくなる。
「自覚はあるんだな。その制服の着こなし、派手なメイク、それに…」
跡部の視線は私の肘の膝のガーゼへ…
「なっ!こ、これはあんたも知ってるでしょ!!」
「ククッ…つくづく間抜けなやつだな」
またあの笑い方だ。ほんっと嫌な奴!人を馬鹿にして!
「なに?!なによそれ!!」
「お前、柊が俺をけしかけたからここに来たと思ってるのか?」
「は?どういうこと?」
馬鹿なやつだな。と椅子から立ち上がり、私の目の前に立つ。
じりじりと近寄ってくる跡部が不気味で、思わず後ずさったとき、
「きゃっ」
後ろにあったソファに気付かず体制が崩れる。
それを見逃さなかった跡部は、私の膝下と肩を抱え、あっという間に私をソファへ寝かせる。
「ちょ、ちょっと!なんなのこれ?!」
そのまま両手をひとくくりに掴まれ、片手で抑え込まれ組み敷かれる。
跡部の顔が近い。
「お前、1日に何度転べば気が済むんだ?」
悔しい…
身動きが取れないまま、空いているもう片方の手で顎を上げられ、耳元で囁かれる。
「お前、俺の女になれ」
「は?!」
頭がついていかない。
この人は何を言ってるのだろう?
「俺様から直々に言ってやってるんだ。光栄だろ?」
「なっ!意味がわからない!さっきからなんなの?!」
手が拘束されて動かないので、足をバタつかせて抵抗すると、足の間に膝を入れられ更にホールドされてしまった。
なす術なし…どうしよう…
でも…
こうして近くで見るとやっぱり綺麗な顔だな…
ちょっといい匂いもする…薔薇かな…
って違う!!!!!