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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第18章 恋心の自覚



『“守れとは言ったが、怪我をさせるなとは言っていない。”ってエンデヴァーさんに怒られちゃった。私、そんな過保護にしてたつもりはないんだけどなぁ。』
「十分過保護だろ。ヒーローやってたら、怪我なんて普通にする。」
『……うん、そうだよね。』
「しっかりしろよ。相棒だろ。」
『うん。』

 流石のクソ親父も、命を粗末にしてまで俺を守れとは言わなかったらしい。腐ってもヒーロー、1ミリ程度なら見直してやらなくもない。明るさを取り戻した奏の声に安堵し、目が自然と細くなる。早く会いてぇ。何時に来れるのかと聞くと、昼過ぎには早上がりでフリーになると返してきた。フリーになるなら、奏がいられるギリギリまで俺の傍にいて欲しい。渋る奏をあの手この手で説得し、午後の5時まではいることを約束させた。

『長時間いることになっちゃうし、二人によろしく言っておいてね。じゃあ、また後で。』
「ああ。……待ってる。」

 話が終わって終了ボタンを押す。聞こえなくなってしまった奏の声を名残惜しく思いながら俺はロビーに背を向ける。戻ったらすぐ昼か。飯田の奴は飯が食えるのか?飯田はどうやって飯を食うのか、それをぼんやりと考えながら病室へ続く廊下をゆっくりと歩いた。
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