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人魚姫は慟哭に溺れる【ヒロアカ※轟夢】

第17章 激突、ヒーロー殺し!


 職場体験三日目の朝。夜中パトロールへ出ていたサイドキックの人達と交代する形でパトロールへと出ていく。昨日と同じように大通りはなかなか人が多く、何度かプロヒーロー達ともすれ違う。これだけヒーローが多いと小競り合いも起こらないみたいで、大きな騒ぎもなく平和なパトロールで終わったらしい。(酔っ払いの介抱くらいはしたらしいけど。)平和で何よりだけど、いつ事件が起こるかもわからない。気を引き締めながらゆっくりと保須市を練り歩く。――そうしてヒーロー殺しが見つかったという連絡や定時連絡が途切れるといった事故もなく太陽が昇って、ゆっくりと落ちていく。

 日が暮れて空に夜の帳が降り始めた時、突然お腹の底まで届きそうな程の大きな音が響く。ほぼ同時に私達が向いていた方向からもくもくと黒煙が上がり、空に赤い炎がちらいた。ガス爆発か、あるいはヴィランの暴走か……どちらかかは分からないけれど、急がないと!

「焦凍、奏!事件だ、ついてこい。ヒーローというものを見せてやる!」

 エンデヴァーさんの声を皮切りに、皆で揃って走り出す。走り出して暫くしたその時、スマホを入れたポケットがブーブーと震える。こんな時に、何が?そう思ってスマホを取り出すと、隣を走っていた焦凍も同じようにスマホを手にしていた。さっとスマホの画面を見ると通知欄にクラスのL〇NEが入っていて、送り主のアイコンはオールマイト。つまり、緑谷君からだ。内容は……位置情報だけ。東京都保須市江向通り4-2-10……?なんで緑谷君まで保須市に?それに、この位置情報は火災が起きている方向とは真逆の方向だけど……。

「ケータイじゃない。俺を見ろ焦凍ォ!!!」

 エンデヴァーさんの怒鳴り声に驚いてぴゃっと肩を竦める。でも、緑谷君がなんの理由もなくこんなのを送るとも思えない。どうしようと悩んだ時、隣にいる焦凍が弾かれるように逆方向へと駆けだした。

「え、焦凍!?」
「どこ行くんだ焦凍ォ!!!」
「江向通り4-2-10の細道。そっちが済むか、手の空いたプロがいたら応援頼む。お前ならすぐ解決できんだろ。友達が、ピンチかもしれねぇ。」
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